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井戸の中です:アオイキサス

 

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 0704~白昼夢~

BGM



東京 古本屋街 神保町

真昼に男はチェーン店でコーヒーを飲み女を待つ
女がやって来て何も頼まず「出ない?」と言う
二人は店を出る
女はコンビニでタバコを買う

男を連れて行こうとしていた昭和の喫茶店は閉まっていた
「まぁ良いんじゃない?次に見つけた店で」と男は言う
真昼の照り返しのきつい道で
どちらかと言えば夜の顔をしている二人は
なれない汗を少しかきながら歩く

ふらりと目に付いた蕎麦屋に入る
冷たいビールを頼み
次いであてのようなものを探したが
そういったものは夜しか出さない店なので
仕方なく蕎麦と刺身の定食を一人前頼み
二人でつつきながらなにやら時刻と不釣合いな話をしている
この二人は夜に会うべきではないのだろうか?

その光景を後ろの座敷から
家族で健全に食事している幼子が屏風越しに覗く

「昼の部はもう終わりなんです」
と蕎麦屋の女中が二人に声をかける
女の方が代金を払い
二人は店を出る事にする

街を歩きながら話をする
女は男の知っている女性の話をする
男は記憶よりも女の背丈が小さい事に驚く

次に入った店は昭和の香りが強い喫茶店で世界のビールが飲める店であった
情に溺れた昭和のタンゴが流れている

「こんな店があるなら最初からここにしたらよかったね」
と女は言い「赤ワインをお願い」と言ってトイレへ行く

戻ってきて窓際に座る女は言葉のセンスが良く
その姿佇まいは中世の絵のように美しかった
「前から思っていたけれど、小説に出てきそうな人だよね」と男は言った
女はワインを飲み干し男はタバコに火をつける

ドルトムントを頼む
二人は真昼の午後にエロスとは何か
日本人と異国人との異性間の感覚について話しながら
口説いているようなそうでないような空気を出していた

長い髪をかき上げ、タバコを吸い
男の目を見てビールを呑む女

少し酔ってタバコに火をつけ
眠たげに女の目を見ている男

「ねぇ、ピザ食べない?」

店には他に3,4人の一人で来ている客が居て
本を読んだり 物を書いたりしている
偶然なのか皆女の方向に向いて座っている

「見て。今気づいたんだけど、みんな私の講義を聴きに来てるみたい」
「昼間からアルコール入ってる男と女がエロスとかいっちゃって」

「昼間からこんなに楽しい話題を提供しているんだから良いんじゃない?」
「今晩の酒の席か、嫁さんか旦那との冷めた会話のネタには丁度良いでしょ?」

時間は知らぬ間に過ぎてゆく・・・

「そろそろ出ようか」
店を出る時に男が代金を支払う

時間は知らぬ間に過ぎてゆく・・・

帰りに女を電車の改札まで見送り
握手からハグに変わり手を振り去る二人

何故か男の携帯に昔の女から電話が入っていた

その後に先ほどの女からメールが来た
「この映画は絶対見て感想を聞かせて」と書いてあった

「全てはタイミングなんだよ」

先ほどの女が言っていた台詞を男は思いだし
その通りだと思い歩きだし
空が曇りだす
10:00 | Japan
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